男性不妊の概論

造精機能障害の原因と治療

男性不妊でもっとも多いのがこの造精機能障害で、男性不妊の9割を占めています。
精巣でうまく精子を作ることができないというものです。

 

精液中の精子の数、運動、形態などに問題がある場合で、
無精子症、乏精子症、精子無力症、精子奇形症があります。

 

無精子症とは、精液中に1匹も精子が見当たらない状態をいいます。
染色体異常による無精子症なのか、そうでない無精子症なのかを判断します。

 

精巣で精子がほとんど作られていない場合でも、1匹だけでも精子がいれば、
顕微授精という方法で妊娠は可能です。
または、完成した精子がいなくても、完成手前の精子があれば、
その精子で顕微授精をすることも可能です。

 

しかし精巣に精子が1匹もいない場合は、とても残念ですが、実子以外の道を探すことになります。

 

次に、乏精子症とは、精液の中に精子はいるが、その精子の数が少ない状態で、
精子濃度(精子数)2000万/ml以下の場合を言います。

 

軽度の乏精子症の場合、人工授精によって妊娠も可能です。
漢方薬などを併用することもありますが、少し下回るくらいなら心配しすぎないでください。

 

しかし、精子濃度が数百万/ml以下になると、人工授精では難しいと判断され、
体外授精を勧められることもあり、更に数が少ない場合は、妊娠率を上げるため、
顕微授精を勧められることもあります。

 

精子無力症とは、前進する精子が50%未満、
または高速で直進する精子が25%未満の場合を言います。
精子の数は正常だが、精子の運動率が悪い状態です。

 

精子の運動率が悪いと、受精の場である卵管采に到達する精子は減り、不妊の原因となります。
卵管采に到達したとしても、卵子の殻を破らなければならないので、
量だけではなく、運動率も大切になります。
この場合、その精子の状態により人工授精や体外受精などの方法をとります。

 

これに対して、精子がまったく動いていない場合を、精子不動症といいます。

 

精子奇形症とは、正常値では、奇形精子が15%以下と設定されているため、
それを超える場合、精子奇形症といいます。この場合は、正常な精子だけを選んで、
体外受精や顕微授精などの方法をとることが多いでしょう。

 

造精機能障害には先天的理由によるものと、後天的理由によるものの
2通りがあり、先天的に精子がつくられない染色体異常の場合の治療法はなく、
また精子形成があっても治療する方法は難しく、妊娠を希望する場合は、
体外受精・顕微授精に頼ることになります。

 

染色体異常による、造精機能障害の場合、遺伝などの問題もありますので、
医師とよく相談することが必要です。

 

原因として、ごく少数ではありますが、停留精巣といって、生まれる頃に、
精巣が陰嚢の中に自然に下りてくるはずが、生後数ヶ月経っても精巣がおりてこない状態をいい、
これが原因で精子を作る力が衰えてしまう場合があります。

 

後天的には、耳下腺炎などで精巣にウィルスが侵入し、精巣炎を起こした場合や、
精索静脈瘤などがあります。

 

造精機能障害のほとんどは、原因がはっきりと特定のできない突発性で、
原因が明らかになるもののほとんどが、精索静脈瘤です。

 

突発性造精機能障害の場合、改善のために薬物療法などの方法をとりますが、
精子の数や質の向上は、人それぞれ効果の出方が違います。
軽度の場合は数ヶ月の服薬や注射で改善することもありますが、
あまり期待できないケースも多いようです。

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